専用プリント基板で作ったCAmiDionの動作確認が完了

3月15日頃にCAmiDion2号機のver.2を分解してから2ヶ月余り。ver.3への作り替えを進めてきましたが、一週間前に届いた専用プリント基板を使うことにより、昨日、無事完成しました。

CAmiDion 2号機 ver.3

CAmiDion 2号機 ver.3

プリント基板が届いたことで、この基板に合わせて1ヶ月ぶりくらいに穴あけ作業を再開できるようになりました。タクトスイッチの穴は4mmだとぎりぎりで、基板実装時にちょっと傾いてわずかにズレただけでボタンが穴の端に当たって戻らなくなったりしたので、穴を5mmまで広げました。
上蓋の穴あけが終わったところで、本体側の穴あけも開始。電池ボックス、メイン基板、オーディオ出力/スピーカージャック、MIDI IN/THRU/OUT、ストラップ穴。MIDIの穴は15mmと大きいですが、ハンドドリルに15mmのホールソーをつけて開けました(手回しだと時間がかかるのでちょっと腕が疲れますが、リーマーを使って広げるよりきれいに仕上がります)。

ケースの穴あけが終われば、あとは配線するだけ。とりあえず2号機ver.2で使っていた線を活用して新しいプリント基板に接続。まだ手に入っていない液晶を除き、オーディオやMIDIの動作確認をして無事動作OK。チップLEDのハンダ付け不良がちょっとあった程度で、ここまですんなり完成。
ユニバーサル基板と違って、配線が最初からプリントされている基板であればビニール線やスズめっき線のハンダ付け不良が発生しないので助かりますね。

そして土曜日。
ほぼ1年前から行くようになった、ネオコイワボカロセッション(1年前のブログ記事)がちょうど開催される日だったので、足りなかった液晶と、余ってる基板の収納に使うチャック袋を秋葉原の秋月電子で購入し、そのあとはんだづけカフェで基板の仕分けとか、液晶の取り付け作業を行いました。ここで無事に動作確認できました!

土日祝日は18:00ではんだづけカフェが閉まりますが、ボカロセッションは20:00頃からなので、オープンする19:00~20:00の間に着くようにしようと、「@ぽっけ」さんと秋葉原のマックで一休みしたあと、いざ新小岩へ。

実はこの前買ったポケット・ミクも持ってきていて、完成して動作確認できたばかりのCAmiDionとともにセッションに活用
セッションのときにCAmiDionでコードを鳴らすのも楽しいけど、ポケット・ミクでアドリブ演奏するのもまた楽しいですね。キー(調)が把握できていれば、鍵盤型のインターフェースを持つポケット・ミクでも、どこを使うかが何となく把握できていい感じで演奏できました。特に鍵盤上部のリボンコントローラで「あぁあ↑ああぁ→↓ぁぁぁっ」みたいにピッチベンドして変な叫びを時々入れて遊べるのはなかなか楽しいw
ネオコイワボカロセッションに顔を出してほぼ1年たったこのタイミングで新たなステップを踏んだ感じです。

以上をもって、届いたプリント基板に実際に部品を全部つけて組み立て、さらに実際にセッションで使ってみても、基板には特に問題ないことが確認できました。
今後は残りのプリント基板をどのような形で売るかを考えようと思います。

…で、プリント基板化に伴って急遽使わなくなった切り取り済みユニバーサル基板ですが、CAmiDion6号機として生まれ変わりました。アンプポーチとその電源(USB端子つき)を使うことで、この1枚の基板に最小限の実装を行いました。初期の頃の4号機に近い構成です。

CAmiDion 6号機(最小構成基板)

CAmiDion 6号機(最小構成基板)

ちなみにこの5月頃の時期は、MIDI Chord Helper と CAmiDion は次のような節目が数多くありました。

こう考えると10年でここまで進化してたんだなーと改めて実感できます。


ニコニコ動画版はこちら

CAmiDionのプリント基板が無事届きました!

5月18日、日曜の朝、10:30くらいに起きて、朝飯食おうかなーと思ったら、

あ、誰か来た。
何だろうと思って女房が出たら、小さな荷物が届いてたという。

もしかして…と思って出てみたら、その荷物にはSINGAPOLEと書かれていた。
やっぱり基板だ!

Fusion PCB に5月5日の月曜の夜に注文し、その週の金曜(5月9日)の午後から夕方頃に状態が Shipped(出荷済)→ Tracable(追跡可)と一気に進んだので、さっそく追跡してみたらSINGAPOLEと書かれていて、おそらく中国からシンガポールの工場に製造を頼んでそこから出荷したのかなーと思っていたわけですが、そのこともあって荷物にあったSINGAPOLEという文字を見た瞬間、基板に違いないと確信したわけです。

注文から13日弱で届いたことになります。多くの人のブログでも2週間くらいですが、遅いと1ヶ月かかることもあると聞いてこれはまだかなーと思っていたのですが、早めに届いて、しかも日曜の朝なのですぐ次の作業を開始できることに。

さっそくはさみで開けようとしたら…広範囲に透明ビニールテープでくるまれていてなかなか開かない。と、そこへ下の娘がやってきて切ってくれることに。
開けてみたら…
おおおおおお!基板だああああ!

到着したCAmiDionプリント基板

到着したCAmiDionプリント基板

10枚重なってビニールでぴったりパックされていて、基板同士の間で傷がつかないよう保護するための紙が挟まっていました。

基板同士の間には保護用の紙

基板同士の間には保護用の紙

裏面。LCDの下の混雑したところも隣と接触しそうな箇所はなく、十分余裕をもってプリントできていました。ピッチの狭いICのプリントパターンも作れるわけですから、まぁ、これは余裕かなーと思ってました。

配線の狭い箇所も特に問題なし

配線の狭い箇所も特に問題なし

まずは切り離します。シルクスクリーンで示した切り取り線がありますが、この曲がり角に小さな穴を開けてから、切り取り線に沿ってアクリルカッターで表裏とも溝を掘ります(定規のようなものを当て、脱線しないよう注意しながら掘ります)。切り取り線が薄くなったら一辺をはさみで切り、もう一辺を折り曲げてカット。
これでメイン基板とコードボタン基板の2枚に切り離すことができます。
あとはやすりで端や角を丸め、基板で手を傷つけないように処理します。

届いた基板を2つにカット

届いた基板を2つにカット


1.0mmは確かに切りやすかったのですが、ユニバーサル基板よりもちょっとしなりやすいかなーという感じでした。1.2mmとか1.4mmくらいでもよかったかなーと思いましたが、その分重くなるので送料に響く可能性もあって微妙ですね…。この厚さで押す力に耐えられるか、まずは実際に作って確かめることにしましょう。

基板が平らなうちに、ケースに基板取り付け穴を開け、仮にネジ止めして固定し、タクトスイッチのシルクスクリーン中央にあらかじめつけておいた(+)印に合わせて細いドリルで浅く掘ります。基板のパターンを傷つけないよう、貫通させない程度にとどめます。

タクトスイッチの穴を開ける位置をマークする

タクトスイッチの穴を開ける位置をマークする


マークが終わったら基板を外し、ケースの穴を開けます。いっぺんに大きくするとズレやすいので、最初は2mmくらいの穴を貫通させ、その後少し大きなドリルで広げます。

穴あけが終わったらはんだづけします。ダイオードは真裏にタクトスイッチが来るので、先につけます。タクトスイッチの後にダイオードをつけようとすると裏からのはんだづけができなくなってしまうからです(もっとも、スルーホールなので表からはんだづけする方法もなくはないのですが…)。

ダイオードは先につけよう

ダイオードは先につけよう

表面実装部分の大きさも大丈夫でした。

チップコンデンサ

チップコンデンサ


チップLEDのはんだづけ

チップLEDのはんだづけ

この日1日で一気にここまで。ユニバーサル基板と違ってスズめっき線を配線する必要がないので、どんどん作業が進みますね。

タクトスイッチをつけ終わったところ

タクトスイッチをつけ終わったところ


LCDは手持ちのものはセットの小基板につけてしまったので、今度の土曜日にでも新しいのを買ってはんだづけカフェで作業しようかと思っています(ちょうどネオコイワボカロセッションもあることですし)。

CAmiDionの基板をFusion PCBに注文しました

先日からKiCadを活用してCAmiDionのPCBを設計していたわけですが、ようやく今夜、Fusion PCB への注文に踏み切りました!

注文した基板のイメージを3D表示

基板デザインはこの3D表示のようなイメージです。これで 10cm Max * 20cm Max の範囲に収まっています。この表示では部品が装着されていますが、もちろん実際に注文したのは基板だけですw

CAmiDionプリント基板3D表示

CAmiDionプリント基板3D表示

設計を最適化

前回のKiCadに関するブログ記事を書いた段階では、2枚の基板を別々に注文しなければならない設計だったため、ちょっと高くなっちゃうかなーと思って注文を見合わせていました。

できれば基板2枚とも 10cm Max * 20cm Max (5枚の場合 $9.9 + $50)に収めてコストを最小化したい…そのためにどうしたらよいか、いろいろ考えました。

そこでまず、自動配線に頼らず、なるべく手動でルーティングを行うようにしてみました。その結果、切り欠き部分を最大限に確保することができました。
うまく配線するコツは、配線の混雑しそうな箇所を中心に「表は縦、裏は横」などのように方向と表裏の関係を可能な限り揃えることです。直角に向きを変えるところでビアで表裏をくぐらせれば、意外と揃います。ただ、表面実装部分は表面にしかつながらないので、そこも考慮に入れる必要があります。こうして目視で最適なルートを考えて配線していきます。
こういうのって、まるでパズルを解くような、おもちゃの道路や鉄道を建設するかのような楽しみもありますね(KiCadなら3D表示もできるわけですし)。CADでの配線はユニバーサル基板と違って配線をやり直しても基板が痛んだりしないので、納得が行くまでトライできます。

大きくなった切り欠き部分に、メイン基板のパターンを作り直してはめこんだ結果、みごと! 10cm Max * 20cm Max の範囲に収めることができました。これで、コードボタン基板を単独で注文したときと同じコストでメイン基板も作ってもらえる見通しが立ちました。

世界最安レベルの基板製造サービスとはいえ、やはりそれなりのコストがかかるわけなので、注文前のチェックを念入りに行い、余った基板を欲しいという人になるべく安く提供できるようにしたい。
そんな思いもあって、このゴールデンウィーク中に細かいところをいろいろ改良しました。

注文前のチェックで重要かつ見誤りがちなのが、装着する部品のサイズです。適切なサイズを正しく把握するには、3D表示して確認することはもちろん、原寸大でプリントアウトして実際に部品を当てたり装着してみたりして確認することも重要です。紙であれば画鋲を使って簡単に穴を開けられるので、その穴に部品を差し込めば容易に確認できます。

原寸大で印刷してサイズ確認

原寸大で印刷してサイズ確認


厚紙に貼ってケースに入るか確認

厚紙に貼ってケースに入るか確認

これで確認してみると色々問題が見えてきます。今回は以下のような対応をしました:

  • チップ部品の乗るフットプリントが思っていたより小さいことがわかったので大きめのフットプリントに差し替え
  • ケースに入れるのにちょっときつそうだったのでわずかにサイズを縮める(注文サイズの削減によりコストダウンにつながることもあります)

特にLEDは可能な限り大きなパターンにしたので、ちょっと大き目のチップLEDでもうまく乗る可能性が高まりました。

もちろん直した直後にはDRCチェックを忘れずに行ってビアと配線の接近しすぎとか、つなぐべきなのに未配線の箇所がないかこまめに確認するようにします。

あとは、シルクスクリーンの文字などの記述内容を決めたり位置を調整したり、配線の回し方を微調整したりしました。基板取り付け穴は、最初はこちらを参考にして大きなビアとして作っていましたが、これだとドーナツ状の導体幅を0にできない(0より大きくないと入力すらできない)ことになり、巨大なスルーホールが作られるだけになってしまいます。そこで、穴とクリアランス(隙間)だけを持つ、導体幅0のコンポーネントを置く方式に変えました。こうすれば穴だけ開けてくれるそうです。

こうして色々と直しを入れ、納得のいくまで設計できたら、さて注文…

おっと、その前にガーバーデータを作る必要がありますね。

ガーバーデータの出力

ガーバーデータとして必要なファイルはFusion PCBのサイトのここに記述があるのでそれを参照してください。ざっと説明すると必要なファイルはこれです:

  • 導体層(配線パターン。今回は2層なので表・裏、各1ファイル。4層の場合は内側2層分のファイルも必要)
  • はんだマスク(レジストで覆わず導体を露出させる部分を示す。表・裏、各1ファイル)
  • シルクスクリーン(部品の目印や、自分で入れた文字や図形が入っている。表・裏、各1ファイル)
  • ドリルデータ(穴を開ける場所を示す。これはもちろん表裏は無関係なので、1ファイル)
  • 基板アウトライン(外形データ。ひょっとしたらこのファイルがなくても、他のファイルに情報が含められれば大丈夫かも知れないが、KiCadではどちらもできるので念のためつけておくとよい)

ガーバーデータを作るには、KiCadのPcbnewから「ファイル」→「プロット」で以下の画面を開きます。

保存するガーバーデータの選択

保存するガーバーデータの選択


最初は[FB].Pasteと[FB].Maskの違いがわかりにくいかも知れませんが、PasteはSMD(表面実装)だけにつけるはんだペーストの場所を示しているだけなのでFusion PCBへの注文には基本的には不要で、この情報についてはMaskのほうがあれば事足ります。

あと、ドリルデータも忘れずに保存しましょう。今回は下の画面のような指定で出力してみました。

ドリルデータの出力

ドリルデータの出力

保存されたガーバーデータはGerbViewで見ることができるので、どんなイメージで出力されるかを見ておくようにしましょう。
メニューに「ファイル」→「EXCELLONドリルファイルの読み込み」というのがありますが、これを使って保存したドリルデータをそのまま読み込むことができました。Fusion PCBでもこの形式でとの指定があるので、ドリルデータはこの形式で問題なさそうですね。

ガーバーデータ一式が揃ったら、あとは拡張子をFusion PCBの指定どおりに直し、アップロードできるようzipで固めます。拡張子の変更はドリルデータの *.drl を *.txt に、外形データの *.gbr を *.gml に直すだけですみました。

そして注文へ

Seeed Studio は中国(深セン)にある会社なのですが、中国は5/1-3はお休みで、なぜか5/4が日曜なのに代わりの出勤日になるとかあるらしいので、
これは連休の終わりくらいをめどに注文すればちょうどいいかなと思い、それをめどに設計のチェックをじっくり行いました。
で、連休が翌日で終わろうとしていた今日、注文に踏み切ったわけでした。
枚数は最初5枚にしようかと思ったのですが、10枚でも$5しか違わないので10枚にしました。これで1枚あたりのコストが下がりそうです。
基板の厚さは1mmにしました。手持ちのユニバーサル基板がこれくらいのようで、コードボタンの押す力に耐えられ、かつ切り離しやすさを考えるとこれくらいかな?と思ったので。基板の色は追加料金のない緑、その他の項目もとくにこだわりはないので追加料金のないものを選択。
送料は最も安いものでAir Parcel の$15弱だったのでこれを選びました(730gという重さだからでしょうか…小さい基板だともっと安いのかな?)
支払いはクレカ直接だと手持ちのでは対応していないみたいなのでPayPalを選ぶしかなかったのですが、Maker Faire Tokyo 2013 の懇親会の支払いのときもPayPal+クレカだったので、そのとき登録したアカウントをそのまま活用できました。

ちなみに SeeedStudio へのユーザー登録は先にやらないといけないようです(ガーバーデータを上げるまではできても、ログインしていないと最初からやり直す羽目になります)。

基板が届いたら、まずは自分で使ってみて、余ったらそのうちどこかで売ろうかなーと思います(詳細は後日)。

なお、Fusion PCB では1枚の基板を分割するためには、分割する箇所をシルクスクリーンで線を引くだけにとどめ、自分でカットしなければなりません。Vカットを入れてもらうとか、穴をたくさん開けて切りやすくするような設計はNGです(おそらくそういう設計にしたときは Fusion Premium PCB を使えってことなのでしょう…)。

さて、どんな仕上がりになるか楽しみですね。