CAmiDionの基板をFusion PCBに注文しました

先日からKiCadを活用してCAmiDionのPCBを設計していたわけですが、ようやく今夜、Fusion PCB への注文に踏み切りました!

注文した基板のイメージを3D表示

基板デザインはこの3D表示のようなイメージです。これで 10cm Max * 20cm Max の範囲に収まっています。この表示では部品が装着されていますが、もちろん実際に注文したのは基板だけですw

CAmiDionプリント基板3D表示

CAmiDionプリント基板3D表示

設計を最適化

前回のKiCadに関するブログ記事を書いた段階では、2枚の基板を別々に注文しなければならない設計だったため、ちょっと高くなっちゃうかなーと思って注文を見合わせていました。

できれば基板2枚とも 10cm Max * 20cm Max (5枚の場合 $9.9 + $50)に収めてコストを最小化したい…そのためにどうしたらよいか、いろいろ考えました。

そこでまず、自動配線に頼らず、なるべく手動でルーティングを行うようにしてみました。その結果、切り欠き部分を最大限に確保することができました。
うまく配線するコツは、配線の混雑しそうな箇所を中心に「表は縦、裏は横」などのように方向と表裏の関係を可能な限り揃えることです。直角に向きを変えるところでビアで表裏をくぐらせれば、意外と揃います。ただ、表面実装部分は表面にしかつながらないので、そこも考慮に入れる必要があります。こうして目視で最適なルートを考えて配線していきます。
こういうのって、まるでパズルを解くような、おもちゃの道路や鉄道を建設するかのような楽しみもありますね(KiCadなら3D表示もできるわけですし)。CADでの配線はユニバーサル基板と違って配線をやり直しても基板が痛んだりしないので、納得が行くまでトライできます。

大きくなった切り欠き部分に、メイン基板のパターンを作り直してはめこんだ結果、みごと! 10cm Max * 20cm Max の範囲に収めることができました。これで、コードボタン基板を単独で注文したときと同じコストでメイン基板も作ってもらえる見通しが立ちました。

世界最安レベルの基板製造サービスとはいえ、やはりそれなりのコストがかかるわけなので、注文前のチェックを念入りに行い、余った基板を欲しいという人になるべく安く提供できるようにしたい。
そんな思いもあって、このゴールデンウィーク中に細かいところをいろいろ改良しました。

注文前のチェックで重要かつ見誤りがちなのが、装着する部品のサイズです。適切なサイズを正しく把握するには、3D表示して確認することはもちろん、原寸大でプリントアウトして実際に部品を当てたり装着してみたりして確認することも重要です。紙であれば画鋲を使って簡単に穴を開けられるので、その穴に部品を差し込めば容易に確認できます。

原寸大で印刷してサイズ確認

原寸大で印刷してサイズ確認


厚紙に貼ってケースに入るか確認

厚紙に貼ってケースに入るか確認

これで確認してみると色々問題が見えてきます。今回は以下のような対応をしました:

  • チップ部品の乗るフットプリントが思っていたより小さいことがわかったので大きめのフットプリントに差し替え
  • ケースに入れるのにちょっときつそうだったのでわずかにサイズを縮める(注文サイズの削減によりコストダウンにつながることもあります)

特にLEDは可能な限り大きなパターンにしたので、ちょっと大き目のチップLEDでもうまく乗る可能性が高まりました。

もちろん直した直後にはDRCチェックを忘れずに行ってビアと配線の接近しすぎとか、つなぐべきなのに未配線の箇所がないかこまめに確認するようにします。

あとは、シルクスクリーンの文字などの記述内容を決めたり位置を調整したり、配線の回し方を微調整したりしました。基板取り付け穴は、最初はこちらを参考にして大きなビアとして作っていましたが、これだとドーナツ状の導体幅を0にできない(0より大きくないと入力すらできない)ことになり、巨大なスルーホールが作られるだけになってしまいます。そこで、穴とクリアランス(隙間)だけを持つ、導体幅0のコンポーネントを置く方式に変えました。こうすれば穴だけ開けてくれるそうです。

こうして色々と直しを入れ、納得のいくまで設計できたら、さて注文…

おっと、その前にガーバーデータを作る必要がありますね。

ガーバーデータの出力

ガーバーデータとして必要なファイルはFusion PCBのサイトのここに記述があるのでそれを参照してください。ざっと説明すると必要なファイルはこれです:

  • 導体層(配線パターン。今回は2層なので表・裏、各1ファイル。4層の場合は内側2層分のファイルも必要)
  • はんだマスク(レジストで覆わず導体を露出させる部分を示す。表・裏、各1ファイル)
  • シルクスクリーン(部品の目印や、自分で入れた文字や図形が入っている。表・裏、各1ファイル)
  • ドリルデータ(穴を開ける場所を示す。これはもちろん表裏は無関係なので、1ファイル)
  • 基板アウトライン(外形データ。ひょっとしたらこのファイルがなくても、他のファイルに情報が含められれば大丈夫かも知れないが、KiCadではどちらもできるので念のためつけておくとよい)

ガーバーデータを作るには、KiCadのPcbnewから「ファイル」→「プロット」で以下の画面を開きます。

保存するガーバーデータの選択

保存するガーバーデータの選択


最初は[FB].Pasteと[FB].Maskの違いがわかりにくいかも知れませんが、PasteはSMD(表面実装)だけにつけるはんだペーストの場所を示しているだけなのでFusion PCBへの注文には基本的には不要で、この情報についてはMaskのほうがあれば事足ります。

あと、ドリルデータも忘れずに保存しましょう。今回は下の画面のような指定で出力してみました。

ドリルデータの出力

ドリルデータの出力

保存されたガーバーデータはGerbViewで見ることができるので、どんなイメージで出力されるかを見ておくようにしましょう。
メニューに「ファイル」→「EXCELLONドリルファイルの読み込み」というのがありますが、これを使って保存したドリルデータをそのまま読み込むことができました。Fusion PCBでもこの形式でとの指定があるので、ドリルデータはこの形式で問題なさそうですね。

ガーバーデータ一式が揃ったら、あとは拡張子をFusion PCBの指定どおりに直し、アップロードできるようzipで固めます。拡張子の変更はドリルデータの *.drl を *.txt に、外形データの *.gbr を *.gml に直すだけですみました。

そして注文へ

Seeed Studio は中国(深セン)にある会社なのですが、中国は5/1-3はお休みで、なぜか5/4が日曜なのに代わりの出勤日になるとかあるらしいので、
これは連休の終わりくらいをめどに注文すればちょうどいいかなと思い、それをめどに設計のチェックをじっくり行いました。
で、連休が翌日で終わろうとしていた今日、注文に踏み切ったわけでした。
枚数は最初5枚にしようかと思ったのですが、10枚でも$5しか違わないので10枚にしました。これで1枚あたりのコストが下がりそうです。
基板の厚さは1mmにしました。手持ちのユニバーサル基板がこれくらいのようで、コードボタンの押す力に耐えられ、かつ切り離しやすさを考えるとこれくらいかな?と思ったので。基板の色は追加料金のない緑、その他の項目もとくにこだわりはないので追加料金のないものを選択。
送料は最も安いものでAir Parcel の$15弱だったのでこれを選びました(730gという重さだからでしょうか…小さい基板だともっと安いのかな?)
支払いはクレカ直接だと手持ちのでは対応していないみたいなのでPayPalを選ぶしかなかったのですが、Maker Faire Tokyo 2013 の懇親会の支払いのときもPayPal+クレカだったので、そのとき登録したアカウントをそのまま活用できました。

ちなみに SeeedStudio へのユーザー登録は先にやらないといけないようです(ガーバーデータを上げるまではできても、ログインしていないと最初からやり直す羽目になります)。

基板が届いたら、まずは自分で使ってみて、余ったらそのうちどこかで売ろうかなーと思います(詳細は後日)。

なお、Fusion PCB では1枚の基板を分割するためには、分割する箇所をシルクスクリーンで線を引くだけにとどめ、自分でカットしなければなりません。Vカットを入れてもらうとか、穴をたくさん開けて切りやすくするような設計はNGです(おそらくそういう設計にしたときは Fusion Premium PCB を使えってことなのでしょう…)。

さて、どんな仕上がりになるか楽しみですね。

CAmiDionの基板をFusion PCBに注文しました” への1件のコメント

  1. ユニバーサル基板などの厚さは1.6mmなのが多いんじゃないでしょうか。
    薄ければあとからカットもしやすいですが、ガラス基板とはいえ1.0mmだとボタンを押した時に結構たわむかもしれませんね。

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